当院では、各種予防接種を受けることができます。現在の定期予防接種は生後2ヶ月からが開始するのが一般的になっています。
生後2ヶ月からできる予防接種のひとつにロタウイルスワクチンがあります。
ロタウイルスとは冬から初春にかけて流行がみられ、5歳までにほとんどすべての乳幼児が、このウイルスに感染します。一度感染しても年齢にかかわらず何度でも感染をします。特に重症化しやすいのは生後6か月から2歳までの乳幼児と言われています。初めてのロタウイルスへの感染の際に症状が重症になりやすく、感染すると2~4日の潜伏期間を経て、嘔吐や水のような下痢を頻回に繰り返し発熱も伴うことも多くあります。通常これらの症状は1週間ほどで落ち着いてくるとされていますが、ときに嘔吐と下痢により体の水分が失われ脱水を起こし、けいれんや肝機能異常、腎不全、脳症などの合併症を引き起こすことがあります。ロタウイルスによる胃腸炎は、他の胃腸炎よりも重症化をしやすく、治療薬もないため入院治療になる可能性も高いです。そのため早期にワクチンを接種することにより、免疫をつけ感染の予防と感染した際の重症化を予防する目的で定期予防接種のひとつとなっています。
現在、使用できるワクチンは【ロタリックス】【ロタテック】の2種類あり、どちらも経口接種となります。これらの違いについてはワクチンに内に含まれるウイルスの型の数と接種する回数、接種ができる週数が異なります。
【ロタリックス】1種類のウイルスが含まれており、2回接種する 出生24週0日までに
【ロタテック】 5種類のウイルスが含まれており、3回接種する 出生32週0日までに
2種類のワクチンの有効性はどちらも認められています。
ワクチンの副反応として注意をするものがあります。それは、腸が腸の中に入り込む「腸重積症」という病気になる確率が、接種後にわずかながらにあがると言われています。腸重積症はワクチンの接種に関わらず1歳未満の乳児に起こりやすい病気のひとつです。ワクチン接種後、1~2週間は特に以下の症状に気をつけてあげてください。
☑泣いたり不機嫌になったりを繰り返す
☑噴水様の嘔吐を繰り返す
☑ぐったりして顔色が悪くなる
☑イチゴジャムのような血便が出る
これらの症状がみられたら、すみやかに医療機関に受診し、ロタウイルスワクチンを接種したことをお伝えください。
ロタウイルスワクチンの接種には定められた期間があり、その期間を過ぎてしまうと接種することができなくなります。決められた期間内に接種するために生後2か月を迎えたら計画的に予防接種を受けていくことをお勧めします。