11月に入り気温が急激に下がり冬らしくなってきましたね。
寒くなると体も冷えやすくなり免疫力が低下することで、さまざまな感染症にかかる可能性が高くなります。
昨年、大流行だったインフルエンザも流行の季節に入っており、岡山県でもインフルエンザの流行による学級閉鎖がおきているところもあります。
当クリニックでも、インフルエンザの診断を受ける方が少しずつみられるようになっています。
インフルエンザの主症状は、皆さんもよくご存じの通り、高熱・頭痛・関節痛・全身倦怠感などです。インフルエンザでは、急激な高熱や嘔吐症状がみられたりすることがあります。低年齢のお子さまでは、急激な熱の変化に伴い熱性けいれんを起こしやすくなると言われています。
インフルエンザの潜伏期間は約2日と言われており、多くは数日から1週間程度で治癒することがほとんどです。まれに重症化して肺炎や脳炎・脳症を合併することもあります。
インフルエンザのワクチンは、もしインフルエンザに罹っても症状が軽微で治まったり、重症化を予防するのに有効です。周囲の感染状況もみながら、早めの予防接種をお勧めします。
周囲の感染状況を把握しておくことはとても重要で、学校や習い事、一緒に遊んだお友達などでインフルエンザになった方と直近で接触した可能性がある場合は、診察時にお伝えいただけると検査をするかどうかの判断基準になります。またインフルエンザの診断において重要なのは、発熱から何時間が経過しているかです。可能であれば発熱してから最低6時間、できれば24時間以上経過してからの受診の方が、迅速検査の正確性が高くなることが知られています。発熱後すぐの検査を実施しても『陰性』になることが多く、翌日再検査をすると『陽性』になることは多くあります。鼻腔の奥に綿棒を挿入して検査をするため、患者さまの痛みが強く負担になります。そのため、最小限の検査にしてあげたいというのが医療者の思いです。周囲の感染状況と発熱の経過や症状を総合的に判断し、医師は検査が必要かどうかを判断し、症状に合わせたお薬を処方させていただきます。お子様の症状を見ていただき、自宅で手持ちの解熱剤などで様子が看れるようであれば、少し様子を見てからの受診、検査を検討していただくのがよいかと思います。
また、インフルエンザは飛び降りなどの異常行動を起こすことが知られています。療養する際は可能な限り1階に療養部屋を設け、窓や玄関の施錠を確実に行い、ベランダなどがない環境を整え、保護者の方が近くで過ごしていただくことをお勧めします。
インフルエンザは学校保健法で出席停止期間が定められています。発症日(発熱した日)を0日目として発症した後5日を経過し、なおかつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまでは登校・登園はできません。周囲に感染を拡げないためにも、体調不良時には無理に登校や登園せずにしっかりと休養を取りましょう。