ヒトメタニューモウイルス(hMPV)について

ヒトメタニューモウイルス(hMPV)という言葉を最近、耳にされましたか?
現在、中華人民共和国で流行していると言われています。
ヒトメタニューモウイルスは、2001年に発見された比較的新しいウイルスです。一般的には1~3歳の幼児で流行が見られる感染症で、5歳までに約半数以上の子どもが感染すると言われています。成人もほとんどの方が一度は感染し抗体を持っていると言われており、感染していても症状が軽微でいわゆる『鼻かぜ』程度で済んでいると言われています。呼吸器疾患のひとつであり、幼児や高齢者、免疫力の低下した人では上気道炎や気管支炎、肺炎などの下気道炎の重症化につながる可能性があります。
ヒトメタニューモウイルスは、感染者から他の人へ、以下のような経路で伝播する可能性が高いと言われています。
・咳やくしゃみによる分泌物
・手を触れたり、握手したりするなどの直接的な接触
・ウイルスが付着した物や表面に触れた後、口、鼻、目に触れる際に感染するリスクがあがる
潜伏期間は明確ではありませんが、約5~9日のことが多いです。
発症後、数日間、もっとも感染力が高いと考えられます。

小児では、気管支炎、肺炎、喘息憎悪、クループ、上気道感染症、急性中耳炎を引き起こすことがあり、発熱を伴うこともあります。成人では慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪や肺炎と関連しており免疫力の低い人が感染すると、重症化することがあります。
一般的な症状は
〇咳
〇鼻づまり
〇発熱
〇息切れ
発熱や咳が1週間以上続いたり、呼吸困難感を感じたり、安静時の呼吸が『ゼーゼー』『ヒューヒュー』などの喘鳴がする場合は、重症化の可能性がありますので早めに病院受診をしましょう。
ヒトメタニューモウイルスには特効薬はなく、症状に合わせてお薬を使って症状の改善をみていきます。登校や登園に関する具体的な決まりはありません。しかし、それぞれの学校や園で独自に登園のめやすについての規則を設けている場合がありますので、ヒトメタニューモウイルス感染症の診断を受けた際は報告をしておきましょう。感染後2週間程はウイルスが排出され続けると言われています。頻回に咳をしている、喘鳴がみられている、呼吸器の症状は無くても食事や水分が満足に摂れない間はお休みをしていただくことをお勧めします。