今年の夏は、南海トラフ巨大地震の発生を思わせる地震が各地であり、自治体にも災害対策本部が設置されるなど、災害への備えをこれまで以上に考えるようになったかと思います。スーパーなどでもペットボトルの水が品薄になっている光景を、ご覧になった方も多いと思います。お店でも防災グッズも購入することは難しくなっており、災害時に活躍するグッズが何点も入っている防災バックなどをインターネットで購入をしようとしても、すぐに入手することが困難で配送までに1ヶ月以上を要する状況になっています。
近年、何らかの食物アレルギーを持つお子様さまは増加傾向にあります。もし災害が発生し自宅で過ごすことが難しくなり、避難所での生活をしなければならない際に、お子さまに食物アレルギーがあって避難所に用意されている非常食が口に出来なかったらどうしますか?
自治体などで食物アレルギーを持つ方を想定した非常食や災害時物品を用意しているところは、まださほど多くはありません。災害時のような非常時や混乱している状況下で、いつも保育所・学校などへお願いしているような対応を取ってもらうことは不可能に近いと考えられます。そこで今回は、災害に備えた必要物品についてお話をします。
過去の阪神・淡路大震災の救出活動での経験をふまえた、自助(家庭での備え):共助(周囲との共同の備え):公助(自治体での備え)の割合は、7:2:1と言われています。東日本大震災における調査では、1週間以上アレルギー対応食品が入手できなかった患者さんは半数以上であったと言われています。そのため、家庭では最低でも3日分、できれば1週間分程度の食料品の備蓄が推奨されています。アレルギー用ミルク、非加熱で食べることができるアレルギー対応アルファ化米(特定原材料不使用のもの)、アレルギー対応レトルト食品など保存可能なものを備えておき、平常時に実際に食べてみて味や食感に慣れておくことも必要です。賞味期限もこまめに確認し、古いものから消費し、消費したら買い足すローリングストック法が推奨されています。(以下の画像参照)
共助は、日常からの家族や地域や身近な人とのつながりの助け合いで、NPOやボランティア活動のことを言います。各アレルギー学会や農林水産省が出しているパンフレットなどを参考にするのも良いかと思います。(以下のリンク参照)
アレルギーポータルサイト 参考資料
日本小児アレルギー学会 参考資料
農林水産省 参考資料