子どもは「泣くのが仕事」などと言いますが、いろいろと考えて対処してもどうしても泣き止まない時もあります。 大人は悲しい、悔しい、嬉しい、痛いなどの感情表現で涙を見せますが、乳児は言葉を扱うことがまだ不十分・未発達なため、うんちやおしっこをしたいとき、眠いとき、お腹が空いたとき、甘えたいときなど、さまざまな状況で泣くことがあります。他にもどこか体の具合が悪いために機嫌が悪い時や、不調を訴える場合に泣くこともあります。病気ではありませんが夜泣きもあります。 それでは泣き方はどうでしょうか。これも状況によって音程やイントネーション、声の強弱などさまざまです。 泣くという行為は、感情表現でも生理的欲求であっても、子どもにとって非常に大切な表現方法で、成長の過程・成長の証でもあるのです。こうした表現にきちんと気付いて適切に対応していくことが大切です。また、泣いている時の様子やしぐさをよく見て、いつもと違う泣き方をしていないかを確認することも重要です。
泣き止まない原因はさまざまですが、病気や不調が原因であることも少なくありません。
泣き止まない時には、その原因が感情によるものであれば、お父さんやお母さんの声掛けや抱いてあげることでやきやむことがほとんどでしょう。しかしその原因が病気の場合は泣き止むことはありません。まずは子どもの様子やしぐさからいつもと違っていないかを観察しましょう。
特に生後3か月ごろまでの赤ちゃんの場合は、「なにかおかしいな」と感じたら早めに受診することをおすすめします。判断に迷う場合は、医療機関に相談してみましょう。 なお、年長の子どもの場合は、目線がしっかり合っていて、呼びかけに対して明瞭に反応でき、顔色がよい場合には、しばらく自宅で観察を続けましょう。
全ての年齢で以下のような様子が見られた場合、すぐに医療機関を受診しましょう。大きな病気が隠れている可能性があります。
医療機関を受診し腸重積を疑う場合は、超音波検査を行い診断します。治療は肛門から液や空気をいれて圧かける方法で行います。腸重積の整復は発症後24時間以内であれば8割が可能とされていますが、この方法で整復できない場合には手術による整復になります。腸の血流の状態によっては腸の切除が必要になることもあります。
泣き止まないことそのものへの治療法はありません。病気も含め、何かしら原因がある場合には、その原因が取り除かれれば泣き止むでしょう。しかし実際には原因がよくわからないことも少なくありません。特に生後1年くらいまでの間は特に泣き止まない状態がよく見られます。哺乳や食事ができており、嘔吐や発熱などの症状がなければ経過をみてもよいでしょう。判断がつかず不安な場合は病院で相談してみてもよいかもしれません。 その他、抱っこする人をかえてみる、外に出てみるなど、いつもとは違うちょっとしたことで泣き止むこともあります。ぐずっているだけなのであれば、泣き疲れたら寝てしまうこともあります。