ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)、ヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)の感染により起こる病気で、2歳までにほとんどの小児が感染すると言われています。だいたいはHHV-6の感染で起こり、一度感染すると終生免疫がつくためほとんどの人は1回のみですが、HHV-7はHHV-6よりも遅れて感染する傾向があり、乳幼児期に1回目を発症、2~4歳頃に2回目の発症を経験する場合もあります。
発熱のわりに元気なことが多く、鼻水、咳など他の症状も軽度です。
発疹は解熱後、半日くらいから出現し体幹から上肢、頸部、顔面、下肢へと広がります。発疹は残ることなく、2~3日で消失します。発疹がでてから機嫌が悪くなることが多いです。
ほとんどが家族の唾液から感染します。3歳以上の人はすでに原因ウイルスであるHHV-6、HHV-7に感染しており、それが体内に潜んでいます。生後6か月くらいまでは、お母さんから貰った免疫である「移行抗体」があるため、少量のウイルスが赤ちゃんの体内に入っても、発症することはほぼありません。しかし生後6か月を過ぎると、「移行抗体」が体内から消えてしまいます。移行抗体が消えた時期に、原因となるウイルスが体内に入ってくると、突発性発疹として発症します。
自然治癒する予後良好な疾患ですので、対症療法が中心となります。
全身状態(顔色は悪くないか、意識がしっかりしているか、けいれんがないか、水分が摂取できているか、おしっこは出ているかなど)を観察してください。
突発性発疹は、生まれて初めての発熱として直面することがしばしばあります。発熱があることでとても心配されると思いますが、発熱だけであれば、脇の下、足の付け根、首元など、太い血管が体表面に近い部位を冷やしてあげながら経過をみてもよいかもしれません。解熱薬を使用しても構いません。ぐったりしているなど、少しでも気になることがあれば慌てずに受診してください。
良好な経過をたどることがほとんどですが、高熱がでるため熱性けいれんをおこすことがあります。その他、まれに脳炎、脳症、劇症肝炎、血小板減少性紫斑病などの重篤な合併症をおこすことがあります。ぐったりとしていて意識がおかしい、顔色が悪いなどの場合にはすぐに病院を受診しましょう。